メルセデスベンツ190Eのもっともすぐれたポイントと言ってもいいスムーズなステアリングですが、このクルマもウォームシャフトやセクターシャフトのオイルシールがカチカチに硬化してオイル漏れしていました。
漏れたオイルがステアリングリンケージのボールジョイントの劣化を早めますし、オモステになるほどオイルを吹く前にオーバーホールしておきましょう。
まずはギアボックスを取り出します。結構苦労します。
漏れたオイルとホコリでネトネトです。塗装されていたシャーシーブラックも劣化してます。
分解して各部をチェック。芸術品のような精密機械です。ご自分のクルマのステアリングにこのようなモノが組み込まれていることを知ってほしいので、オーナー様には写真やレポートで説明させてもらってます。
シリンダー側もチェックしてOリング類はすべて交換します。とても交換しづらいOリングもありますが手を抜かずにやります。
見た目がバッチイのは許せないのでブラスト処理しました。旧車の修理は清掃の連続です。組んでしまえば目にすることはないのですが、、、こだわりです。
シャフトシールはもちろん新品に。
ピットマンアームや取付ボルト等も磨きこんでして防錆塗料を下塗りしたうえでブラック塗装して仕上げます。ここまでしなくてもいいのかもしれませんが、気持ちよく乗ってほしいので手を抜きません。十数年後に誰かがバラしたとき、「ここまでやってるのかぁ、、、」とわかってもらえれば満足です。
正しく清掃して正しく組み上げました。ベアリングのプリロード調整はガタが無く、かつ摩擦が最小を狙って何度も調整しています。
車両に搭載して完成です。今後はドライな状態をキープし、気持ちよく運転できるでしょう。
ボール循環式ギアボックスを最良の状態にキープして、気持ちよくハンドルを握っていただければ苦労して組んだかいがあります!
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