充電できないトラブルの修理-MS66V

旧車にありがちなトラブルですが、配線のショート、絶縁不良や断線などで電気系統に不具合が生じます。しかも、症状が出たり出なかったりと診断を難しくします。

このような症状の修理では電気回路の正しい理解と根気よく計測診断することが必要です。

このクルマの場合は、オルタネータの発電不良でバッテリーに充電ができない症状が出ていました。いろいろ調べていった結果、一見では関係なさそうなワイパーモータ回路の短絡を発見しました。

旧車ですので電圧調整をするレギュレータは接点リレー式です。いまどき接点式レギュレータを触ったことがあるメカニックは少ないのでは?
ICレギュレータに交換してしまっても良いのですが、使えるものは使い続けることで産業遺産的な観点からも動態保存して後世に伝えたいですね。

レギュレータを点検したところ、接点の導通が不良となっていたのでダイヤモンドやすりで磨きます。これでレギュレータは正常に回復したことを確認。

しかしながら、充電不良は解消せず。さらにいろいろ調べるとレギュレータに電圧が来たり来ていなかったり安定しません。
さらにテスターで調査を進めると、レギュレータ回路とワイパーモータが電源回路を共用していることが判明、さらに調べるとワイパー回路がショートしている様子。回路図を書いてさらに原因を追究。

ついに発見しました。ワイパーモータに付属している接触子がケースに短絡していました。絶縁樹脂が劣化して変形し、接触子がケースに触れたのが原因です。

各部を修正し、さらには接触子に絶縁スリーブを取り付けて念には念を入れて修理します。

充電不良は完全に解消!
接点式レギュレータが気持ちよく作動して、アンメータAMPの針がプラスに振れています。デジタルやソフトウェアが全盛のこの時代に、完全メカニカル的に電圧をコントロールしているなんてとても素敵じゃないですか?!

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