ステアリングギアボックス(ボール循環式)-メルセデスベンツE280

県外の遠方よりご入庫いただきました。二十数年も乗り続けていらっしゃるおクルマで、ご自身でメンテナンスされているとのことで細部まで手の入った非常に状態の良いおクルマです。エンジンルームや下回りのチェックでとても丁寧に扱われていることが分かります。

E280 (W124)のステアリングギアボックスからのオイル漏れでお問い合わせをいただき、ステアリングギアボックスの修理はプロに依頼したいとのことで今回の修理となりました。

年数が経つとどうしてもオイルシールが劣化して漏れが生じます。放置するとオイルを水鉄砲のように噴き出して突如オモステになってビックリしますし危険です。

まずはギアボックスの取り外しです。毎回それなりに苦労します。エキマニやフレームなどにぶつけて傷をつけないように気を使います。

最終的にこのおクルマの場合はエンジンマウントとエアクリーナーなどを取り外しました。そのほうがぶつける心配もないし手も入りやすい。

摘出したギアボックスです。オイルを拭き取りましたがそれなりの汚れや塗装の劣化があります。あと、シャーシーブラックで真っ黒に塗りたくっているのが見栄え的に許せない気がします。

各部の状態を確認しながら慎重に分解していきます。

ベンツのステアリングギアボックスは機械好きには芸術品に見えます。

コストを度外視した設計です。設計者は最善を求めて設計したと想像します。

組み立ての準備として、劣化した塗装はブラスト処理して防錆塗装します。

すべてのネジ穴やボルトはタップとダイスでさらっておきます。十数年後にこのギアボックスを分解するときにもボルトの固着が無いようにと、そもそもボルト軸力を正しく発生させるためにはネジ山がクリーンであることが絶対条件ですから。

さあ、組付けに入ります。ボール循環式ステアリングギアボックスの最大の特徴である摩擦の少なさを最大限に発揮するためベアリングのプリロードは慎重に何度もやり直ししてセットしています。

シールを傷つけないように気を使いながら組んでいきます。すべてのシールは新品に交換。一部のシールはとてもやりにくいですが、いろんなツールを駆使して交換してます。

完成形です。ベアリングのフタはシルバーの防錆塗料を塗布したあとクリア仕上げをしています。シルバーと黒、シャフトのメッキと合わさって見栄えは良くなったと思います。車両に組んでしまえば見えませんが、、、

車両に取り付けて完成です。新品同様に塗装して仕上げてますので取り外しよりも気を使いました。

遠方よりおクルマと電車で2往復いただきありがとうございました。
これからも末永く乗ってほしいです。

ステアリングギアボックス(ボール循環式)-メルセデスベンツ190E
メルセデスベンツ190Eのもっともすぐれたポイントと言ってもいいスムーズなステアリングですが、このクルマもウォームシャフトやセクターシャフトのオイルシールがカチカチに硬化してオイル漏れしていました。漏れたオイルがステアリングリンケージのボ...
ボール循環式ステアリングギアボックス-メルセデスベンツ190E
メルセデスベンツ190Eのもっともすぐれたポイントと言ってもいいスムーズなステアリング。これを支えるボール循環式のステアリングギアボックスですが、古くなってくるとウォームシャフトやセクターシャフトのオイルシールがカチカチに硬化してオイル漏...
ボール循環式ステアリングギアボックス-MS66V
古いクルマに使われているボール循環式ステアリングギアボックス。このクルマもシャフトシールが劣化してオイルが漏れていました。フレームまでオイルでベトベトでは気持ちよくないし、各部の劣化も早めるし、いいことは何もないので正しく修理しましょう。...
ボール循環式ステアリングギアボックス-MS52
古いクルマに使われているボール循環式ステアリングギアボックス。スムーズな操作性は大好きなのですが、シャフトシールが劣化してオイルが漏れているクルマも多いと思います。ノンパワステ車であれば無視しても乗れるのですが、内部のボールベアリングやギ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました